チェンソーマンの第1話は、予想通りきれいな初回話で、観た人は何よりも主人公のデンジに親しみを覚える回です。
以下は、放送・配信中の『チェンソーマン』第1話「犬とチェンソー」のネタバレを含みます。
「チェンソーマン」は、「進撃の巨人」以来、アニメーションスタジオであるMAPPAが最も期待しているプロジェクトです。このプロジェクトは、「進撃の巨人」以来、MAPPAが最も期待しているプロジェクトです。第1話は、その期待に応えるものとなるのでしょうか。
【チェンソーマン】アニメ第1話レビュー・ネタバレ・感想
日々を生きる
亡き父が築き上げたヤクザへの借金の山に、青春の夢は音を立てて潰され、その返済に追われる日々を過ごしています。唯一の友人であるチェーンソーのついた悪魔である「ポチタ」の助けを借りて悪魔を退治していても、返済が終わるまでの道は遠いです。
普段はポチタのチェンソーを使って木を切っていますが、
ヤクザから依頼があればその都度呼ばれ悪魔を退治することで生計を立てています。
ポチタとは借金を抱えた父が亡くなり、ヤクザから借金返済に追われるところで出会います。
ポチタは悪魔であり、血を流しています。人の血を悪魔は吸うことで体が再生するため、デンジは自分の血をポチタに与えます。
ポチタと一緒に借金返済に努めます。
デンジは人よりも素直すぎる人間です。
ヤクザに安い賃金で働かされても文句を言わない性格があります。
返済は、デンジ自身の腎臓や目玉などを売っていますが、まだ借金は数千万も残っており父の返済は終わりません。
毎月給料はありますが、ほとんど返済に充てるため、
食べるためのお金が十分ではありません。
とある日は、食パン1枚で一日をしのぎます。
山中の掘っ立て小屋でデンジは回想します。
お金の返済とジャム付きの食パンを食べること、女の子とイチャイチャしてゲームをするという平凡な生活を求めていました。
騙されたデンジと覚醒
そんな風に考えている中、夜中にヤクザから悪魔退治の依頼を受けます。
工場の跡地に行くと、実際には悪魔はどこにもいません。
ヤクザは悪魔に乗っ取られていることが分かり、ヤクザ同様に乗っ取られた悪魔で工場内はいっぱい現れます。
人型の悪魔よりも何倍も大きい悪魔の親玉が現れ、デンジのようなデビルハンターを倒すことが目的で工場に連れてきたようです。
デンジは悪魔退治とヤクザに騙されて、工場につれられたということです。
デンジは逃げようとしますが、大人数の悪魔に刺され、バラバラにされ殺されてしまいます。
ゴミ箱の中のデンジとポチタが捨てられているシーンに移ります。バラバラになったデンジの体の血がポチタに付き、ポチタは目を覚まします。
ポチタがデンジとの思い出を回想します。ジャム付きの食パンを食べたり、女の子と合ったりする夢をかなえてほしいというデンジの思いを回想しています。
デンジの願いをかなえるとともに、ポチタの心臓をデンジに与えるという契約を結びました。
すると、バラバラになったデンジの体は、ポチタのチェンソーのパーツにつながれる形で再生していきます。
デンジは起き上がります。
悪魔の親玉は多少驚きながらも、
子分の悪魔たちにデンジを再び襲わせます。
デンジが死ぬ前と同様に、
多くの悪魔が襲い掛かってきました。
また同じ結果になると思った瞬間、
チェンソーの音が鳴り響き、周りの悪魔たちを一掃しました。
これまでのデンジの様子とは異なります。
頭と両手がチェンソーになっており周囲の悪魔をいとも簡単にさばいていきます。
その勢いで、難なく悪魔の親玉も倒し、
工場内にいるすべての悪魔たちを全滅させました。
デンジの夢とストーリーの始まり
夜が明け、3人のスーツの人間が、
工場にたどり着きます。
リーダーと思われる女性が、一人の人なのか悪魔なのか分からないチェーンソーになっている体の人間のような者を見つけます。
それはデンジでした。デンジが気を失いつつ女性を見た瞬間に「抱かせて」というと、その要求通り女性は抱きかかえます。
その要望がかなったせいか、デンジのチェンソーの体は人間の見た目の体に戻っていきます。
(デンジの一つの夢がかないました。)
デンジが目を覚ますと、その女性が見下ろしています。
デンジは悪魔として殺されるか、
人として飼われるかの選択を迫られます。
女性は公安に勤めており公安に就ければ、
ジャム付きの食パンの朝食も食べれるとデンジの質問に答えます。
デンジはそれを聞いて喜びます。
ここで第1話は終わります。
今後の展望
第1話では、デンジのキャラクター設定のおかげで、初回としては最も包括的なストーリーのフックとなりました。彼の動機は本質的にユニークなものではなく、むしろ、彼の境遇とは対照的なその単純さが、彼を面白くしています。彼が欲しいのは、お金と、好きな女の子と一緒にいるシンプルな生活だけです。
このような奇想天外な展開も、私たちの世界と同じように、当たり前のように演じられる。ポチタのようなキャラクターが存在し、シリアスに受け止められているこの世界には、紛れもない面白さがあります。この第1話を通して、笑わなければならないという衝動に駆られることはめったにありません。各シーンで曇った雲に日差しが吸い込まれるように、脚本から潜在的な明るさが失われていきます。しかし、デンジが将来の夢を語るとき、時折、笑いがこぼれます。
チェーンソーマンの第1話は、自己完結型で非常に満足のいくものです。デンジが逃れたい状態にあるところから始まり、夢を叶えるための道を歩むところで終わります。主人公の生き生きとした姿に惚れ惚れし、幸せを邪魔する絶え間ない迷惑に怒る鬼の形相を、視聴者も共有することができます。
この第1話は、これ以上ないほど親近感をもって人生に渇望しながらも、悲劇的なまでに周回遅れの人物に観客を惹きつけることができました。2Dと3Dを効果的かつセンス良く融合させたこの作品は、今後のシリーズにとって素晴らしい前兆となることでしょう。